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河出書房新社

雑誌「文藝」の他、文学、人文、社会、実用、児童書等多岐に渡るジャンルで出版活動を行なっています。「文藝」では2019年秋季号の特集「韓国・フェミニズム・日本」以来不定期に韓国文学を紹介。20年冬季号からは連続企画となる「韓国・SF・フェミニズム」をスタートしました。

会社情報
株式会社 河出書房新社
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-32-2 
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おすすめ書籍紹介

『優しい暴力の時代』

チョン・イヒョン 著、斎藤真理子 訳
2020年8月、本体2200円+税

本書の「作家のことば」で著者のチョン・イヒョンは、「今は、親切な優しい表情で傷つけ合う人々の時代であるらしい」と書いています。それは、今私たちが日々生きて感じている苦痛や数々の不幸が、一見それとわからない遠い地点から成された抑圧や搾取によって生じたものであるからでしょう。このことは、本書が韓国で刊行された2007年当時に比べ、さらに周到になっていると思います。暴力はより遠くから、そしてより広く、優しさだけではなくさまざまな感情の襞をまといながら、私たちの生活を覆っていると感じます。本書が描くいまだ名づけられない感情の物語が、現在を生きる人々の糧になればいいと思います。

『すべての、白いものたちの』

ハン・ガン 著、斎藤真理子 訳
2018年12月、本体2000円+税

ハン・ガンの言葉は読む人の肉体の奥の奥、神経を通って骨の芯まで貫きます。それは、読後の生理的な感覚まで響くような物語を紡ぎます。本書は「白」のイメージをめぐり断章を重ねた、はかなくも偉大なる“命”についての小説です。ハン・ガンは本作で、以前に『菜食主義者』がブッカー賞国際部門をすでに受賞しているにもかかわらず、ふたたび同賞の候補にのぼりました。現代世界を代表する作家の代表作を、ぜひお楽しみください。

『小説版 韓国・フェミニズム・日本』

イ・ラン/小山田浩子/高山羽根子/チョ・ナムジュ/デュナ/西加奈子/パク・ソルメ/パク・ミンギュ/ハン・ガン/深緑野分/星野智幸/松田青子 著、小山内園子/斎藤真理子/すんみ 訳
2020年5月、本体1800円+税

「文藝」2019年秋季号の特集「韓国・フェミニズム・日本」に掲載した短編アンソロジーでは、日本の全作家と、それに加えてハン・ガン、パク・ソルメが日本の読者にむけた書き下ろし作品を発表し、ほか数々の傑作が集まり雑誌は創刊以来86年ぶりの3刷を記録した。単行本では、チョ・ナムジュ「離婚の妖精」、松田青子「桑原さんの赤色」、デュナ「追憶虫」を加えてパワーアップ。日韓最前線、12人の作家たちが響き合うオリジナル短編アンソロジーを、ぜひお楽しみください。

『完全版 韓国・フェミニズム・日本』

斎藤真理子 責任編集
2019年12月、本体1600円+税

『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュの「家出」、シンガー・ソングライターのイ・ランの「手違いゾンビ」、新世代のフェミニスト作家ユン・イヒョンの「クンの旅」、性暴力をめぐり社会の現実を克明に暴くパク・ミンジョンの「モルグ・ジオラマ」ら現代韓国文学の最前線短編に加えて、韓国の注目作家による書き下ろしをはじめとした数々のエッセイ、対談、論考を収録。そして特別企画に、斎藤真理子・選「韓国文学極私的ブックリスト15」、韓国文学の決定版ガイドとなる「もっと読みたい! もっと知りたい! 厳選ブックガイド36冊」、韓国文学を読むための「わかる!極める!韓国文学一夜漬けキーワード集」、そして永久保存版「現代K文学マップ 『82年生まれ、キム・ジヨン』からBTSまで」を収録。これ一冊でわかる「韓国・フェミニズム・日本」。

『こびとが打ち上げた小さなボール』

チョ・セヒ 著、斎藤真理子 訳
2016年12月、本体1900円+税

本書は1976年から78年にかけて、検閲の目を逃れるようにして韓国で断続的に発表された連作小説集です。すべてが強引に、そこに生きる人々の生活など顧みられることなく暴力的に、国や行政がものごとを進めてゆくのは、いつの時代も変わらぬものであり、これは永遠に文学のテーマだと感じます。本書はそうした暴力がまだ直接的に、目に見えるものとしてあった時代の話です。そして、そのようななかで生きる人々の魂は苛烈です。多くをなぎ倒すような激しい暴力と、それに対峙するべく鍛えられた、あるいは対峙するなかで痛めつけられた苛烈な魂。それは、人々の生活と、暴力の発生する場所との距離がかけはなれた現代では失われたものかもしれません。70年代の魂を描く本書と、2000年代のそれを描くチョン・イヒョン『優しい暴力の時代』を、ぜひ合わせて読んでいただきたいと思います。

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