K-BOOKフェスティバルでは恒例となった、フェスティバルに参加出店する出版社によるオススメ本のプレゼンテーション&クイズ大会。今年のK-BOOKフェスティバルのテーマ「こえる(넘고넘어)」にちなんで、出版社が「こえる一冊」をプレゼンします。プレゼン後には工夫を凝らした3択クイズが出題され、会場の正解者から選ばれた数名に、オススメ本やオリジナルグッズなどの豪華商品がプレゼントされました。昨年に引き続き司会進行は、ゆうき先生こと稲川右樹さんが務め、大いに盛り上げていました。
35社の出版社が出題するクイズ大会
第一部の17社と第二部の18社、合計35社もの出版社が参加したプレゼン&クイズ大会は、ゆうき先生の会場への呼びかけによるコールアンドレスポンスのお陰で、会場全体が温まった状態で勢いよくスタート。トップバッターの岩波書店さんから順序よく進んでいきます。
しかし、自己紹介から始まりオススメ本のプレゼンテーション、クイズの出題まで含めて各社持ち時間2分というのはなかなか厳しい模様。制限時間が迫ると容赦無くベルが鳴らされます。思い入れのある自社の本の魅力を伝えるには時間が短いようで、苦戦される出版社の方が多くいらっしゃいました。
各出版社は基本的に自社のオススメ本に関連したクイズを出題。どれもタイプの違った問題で最後まで会場を飽きさせませんでした。韓国ドラマファンにとっては簡単な問題もあれば、文学好きにとって、韓国語学習者にとって、韓国に訪れたことがある人にとって、フェミニズムに関心のある人にとってピンとくる問題も多く、あらゆる人がクイズを楽しめていました。まだ韓国文化や韓国語にそれほど詳しくない方にとっても、クイズ全体を通して楽しみながら韓国語や韓国社会に対する知見が広がる、良い機会にもなったのではないかと思います。
一方で、知っていそうで知らない日本に関する問題や、出版社の住所や編集者の飼い猫の名前、といった運試しのような問題もあり、そうしたクイズが景品獲得を本気で狙う参加者のやや張り詰めた空気を和ませていました。
盛り上がっていくにつれ制限時間を超えてしまう出版社も出てきました。そんな時には、韓国によくいるスーパーの店長、に扮した進行役のゆうき先生の「限界は『こえても』制限時間は『こえない』ように」との厳しくもユーモアのあるツッコミで会場は笑いに包まれました。
オススメ本やオリジナル商品などのおまけが付いた豪華プレゼントをかけたK-BOOK愛好家たちによる白熱した戦いは、トリの集英社さんのプレゼン&クイズまで続きました。
プレゼン&クイズ大会終了後、プレゼントをゲットした人は勿論、35社分の最新オススメK-BOOK情報を一気に得られた貴重な機会に、参加した方々は満足気でした。幅広いジャンルのK-BOOKを刊行する35もの出版社と、K-BOOKへの関心や愛情を持つ沢山の人々が一堂に会し、クイズを使って多種多様な情報をやりとりする空間は、カジュアルでありながらとても温かいものでした。読者と出版側の壁を容易くこえさせてくれるイベントが続くことを願います。
(レポート:武田香乃)
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