
初のエッセイ集『年中無休の愛』で力強い文章と奥ゆかしい思考が読者に好評を博した作家イム・ジウンによる2冊目のエッセイ集『推察のかけら』。
本作品でイム・ジウンは深みを増した推察を披露する。イム・ジウンにとって推察とは長く見つめることだ。長く見つめ続ける者は物事の裏面と闇に直面せざるを得ない。大好きなおばあさんとの幼い頃の記憶、ちらっとすれ違った他人やちょっとしたニュース記事まで、イム・ジウンの推察は年中無休、あらゆるものが対象となる。そうして、ついには自分自身も隅々まで推察して探り、偽善と嘘までも暴いてしまう。
イム・ジウンの推察とは、すなわち耐えることだ。くまなく探す過程を耐え抜き、最後に見つけ出すものが愛なのだ。未完成の愛、つまり愛になる可能性のかけらがイム・ジウンの文章の中で静かに輝いている。
【著者紹介】イム・ジウン(임지은)。1990年ソウル生まれ。エッセイ集に『年中無休の愛』『私たちが二人だったのにはそれなりの理由があるでしょう?』(共著)がある。