
「トン」という太鼓の音とともに、一匹のヒキガエルがあらわれます。「トトトン」という音でさらに増え、だんだん集まると「ドンドンダンダン」進みはじめ……。文はすべて太鼓の音で書かれているという、ユニークな韓国の絵本です。
太鼓の音が鼓舞するように、リズムを変えながら寄り添っていくのは、ヒキガエルたちの行進。春の雨が降る時期、山を降りたヒキガエルは、産卵のために池まで旅をします。道路を渡り、溝を横切り、さまざまな障害を乗り越えながら……。
寡黙に歩むその姿に、生きのびて命をつなぐことのきびしさと、かぎりない共感をこめた作品です。2017年ブラティスラヴァ世界絵本原画展ノミネート。