蔚山広域市蔚州郡トゥドン村マナ里にある「本屋カフェ バイハニー」の設立と成長過程を描いた物語。역세권(駅勢圏=ショップや飲食店、娯楽施設が集まる駅周辺の一帯を指す)がない田舎の代わりに、“책세권(本勢圏=本を中心としたコミュニティ)”を作り上げた書店主の努力を垣間見ることができる。活動に合流した人々の多様な語りも収録されている。
国語教師だった著者。本屋の主人になると決めてから初めて建築の設計ノウハウを学び、空き地に建てた本屋を複合文化空間に拡大していく様子を細々と記録している。特に、全国あちこちに本屋が生まれることを望む著者は営業の秘密も隠さず明かす。本屋を始めるための実用書としても活躍するだろう。
【著者紹介】
パク・テスク(박태숙):蔚山にある学校で国語教師をしていた。本が好きで書店主に、人が好きでカフェの店主に。現在は「本屋カフェ バイハニー」を運営。本と人が共に形作る、よりよい空間を夢見ている。
カン・ミ(강미):蔚山にある学校で国語教師をしていた。子どもたちの人生を共有したくて青少年小説を執筆。『砂漠を過ぎる時間』『アンニョン、風よ』『冬、ブログ』『道の上の本』などを出版。人生をおすそ分けするような文章で、よりよい世の中の一助になりたい。