私たちの時代における様々な“境界”を見つめ行き来した徐京植(※)。
同書は、徐京植の本と出会って衝撃を受けて以降、長らく「先生」として慕ってきた著者による講義をまとめた一冊だ。一般市民を対象に行った講義では、徐京植の本をテキストとしながら、自己のアイデンティティなど、多彩なテーマで思索を深めた。講義の名場面をそのまま活字にし、臨場感まで再現している。
※徐京植(1951年2月18日-2023年12月18日)、京都生まれ。在日朝鮮人作家、文学者。1974年3月、早稲田大学第一文学部仏文科卒。在学中の1971年、兄の徐勝・徐俊植が韓国留学中に逮捕。以後、2人が釈放される1990年まで救援運動に奔走。著書に『長くきびしい道のり:徐兄弟・獄中の生』『分断を生きる:「在日」を超えて』『子どもの涙:ある在日朝鮮人の読書遍歴』『在日朝鮮人ってどんな人?』など多数(東京経済大学「徐京植さんを偲ぶ会」サイトより一部引用)。
【著者紹介】
キム・グァンジェ(김광재):嶺南日報の元記者。いくつかの新聞媒体にコラムを連載中。図書館と書店にて、一般市民たちとの読書会を開催している。