「おばあさん、おばあさん、どこに行くの?」「学校に行くんだよ」ソンスンおばさんにとっては、村の学校に行く道さえも絵や物語になる。いつも見ていた田舎の空、種を蒔いたおばあさんだからこそ成長がわかる作物たち、仲むつまじく挨拶をする村の動物たち、道ばたの花や木々。「おばあさん、おばあさん、学校に行って何するの?」「話を書いて絵も描くんだよ」。日頃から花や木を描いていたソンスンさんに花の名前を尋ねると、人の良い笑顔で「わからない、名前もわからない、つくった人もわからない、ワカラナイハナ」とおっしゃった。ソンスンさんが残した絵とワカラナイハナの話を、画家のイ・ユンナムさんと本の村ヘリの村長イ・デゴンさんが絵本につくりあげた。

