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2024.12.13
イベントレポ:チョン・セラン×キム・チョヨプ初対談!「小説を書く時の足し算引き算」

韓国で今最も注目されている若手作家チョン・セランさん、キム・チョヨプさん。同年代であり、SF作品を中心に活発に活動をしていることから様々な活動を共にしています。今回のお二人の対談ではそれぞれの作品活動について語り合いました。

作品の世界をどう作り上げるか

架空の世界を背景にした作品が多いお二人。まずはチョン・セランさんが作品の世界をどう作り上げるか、キム・チョヨプさんに尋ねました。キム・チョヨプさんは「仮想世界を作る際は、登場人物がその世界について何を知っているのか、何を知らないのかを考える」と答えます。チョン・セランさん自身は「物語の中で時間が経つにつれて、登場人物の考え方がどう変化するかに興味がある」と語りました。

キャラクターの一貫性と多様性

キム・チョヨプさんはキャラクター作りについて「フィクションの登場人物なのに一貫性が求められることに違和感をおぼえた時期もある」と語ります。「しかし、フィクションは精製された現実の反映であり、現実の一部や断面であるという結論に至りました。その前提でキャラクターの一貫性が崩れることで、現実的で人間らしさを感じられるようにしたい」

続いて、チョン・セランさんは「登場人物の性格の多様性についてよく考えている」と話しました。「自分の慎重な性格がキャラクターに反映されている気もする。個性的なキャラクターを作り、とんでもないことをやるキャラクターも作ってみたい」思索しながら作品を作り上げているお二人の作品活動の一部が垣間見えました。

作品で社会問題に触れる難しさやチャレンジ

SFだけでなく社会問題をテーマにした作品も手がけているチョン・セランさんは、社会問題に触れる難しさや、自身が取り組んできた経験を振り返りました。
キム・チョヨプさんは、「今まで社会問題について書くことはあまりありませんでした。ただ、私の小説を読んだ後に、この世界をよりいい場所に変えていく勇気を少しでも読者の方が得られたらと願っています。現実から目をそらすのではなく、問題と向き合うことができる力を届けたいという気持ちで書いています」と述べます。
「今書いている作品は社会問題に少し触れています。扱い方によって批判の対象にもなりえますが、今まで書いてきた作品の力と、先に社会問題を書いてきた先輩たちを見て勇気をもらいながら挑戦したい」と新たなチャレンジを教えてくれました。

作家同士の相互作用や影響について

チョン・セランさんのデビュー当時、韓国では純文学とエンタメ文学がはっきりと分かれていて、「当時はいろんな壁を作家たちと楽しくぶち壊していた」と振り返ります。キム・チョヨプさんはデビュー当時に方向性や作品について悩んだそうで、「先に同じ道を歩んでいたチョン・セランさんの存在に励まされた」と話しました。

チョン・セランさんもまた、自身が悩んでいたテーマについて、キム・チョヨプさんの作品によって新たな発想が得られた経験があるそうです。

今回の対談では、お二人がどのように自らの作品の世界観を築き、キャラクターを作り上げているのかを深く知ることができました。また、互いに影響を与え合いながら新たな視点やアイデアが生まれていることが非常に印象的でした。
(レポート:崔里奈)

当日の様子は以下から視聴できます。

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共 催:⼀般社団法⼈ K-BOOK振興会、韓国国際交流財団
主管:K-BOOKフェスティバル実⾏委員会
後援:(一財)⽇本児童教育振興財団、
韓国⽂学翻訳院、アモーレパシフィック財団、
李熙健韓日交流財団、(公財)一ツ橋綜合財団、
(一財)SUN教育支援機構、
永田金司税理士事務所、株式会社クオン