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2021.12.03
イベントレポ:日韓書店店主対談: 本を薦めることの喜びと苦しみ

2021年はオンライン開催となった、K-BOOK振興会主催の日韓出版人交流プログラム。11月20日(土)には第5回「日韓書店店主対談:本を薦めることの喜びと苦しみ」が「フェスティバル2021 in Japan」の公式プログラムの一つとしても開催された。

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登壇したのは、大邱(テグ/韓国南東部の地方都市)にある「旅行者の本」店主のパク・ジュヨンさんと、東京・赤坂にある「双子のライオン堂」店主の竹田信弥さん。

冒頭では両店主が店内を案内してくれ、自宅にいながら日韓の書店を訪れたような、オンラインイベントならではの楽しい始まりだった。

「旅行者の本」は大邱空港から徒歩5分の距離にある。付近に川が流れ、散策のついでに立ち寄るお客さんも多いのだとか。1階には36人の作家の作品を紹介する作家の部屋や、本にまつわる展示コーナー(現在は抜粋した本の一節をハンガーで吊るした展示)、環境を考えるスローカフェ、2階には宿泊可能なゲストハウスまである。

「双子のライオン堂」は都心の一等地に位置するが、表通りではなく入り組んだ路地にある。扉がターコイズブルーの本を模しており、とても印象的だ。マンションの一室である店内へは「リラックスできるように」と靴を脱いであがる仕組みになっている。40人の作家による選書を中心に、所狭しとぎっしり本が並べられている。奥にあるギャラリーはコロナ禍のため現在お休み中。

パクさんと竹田さんは、共に学生時代に文芸創作を学んだ。「生涯かけて愛するものを見つけた」(パクさん)、「創作には作家の芯である本を読むこと、とにかく本を読んだ」(竹田さん)と振り返るおふたり。両書店とも書店でありながら本の出版も手がけているが、当時の学びも本づくりに生かされているとのこと。

4人のオーナーによる共同経営である「旅行者の本」に対し、共同経営ではないものの、友人やときにはお客さんをも巻き込んで一緒に選書やイベントを行う「双子のライオン堂」。書店経営はひとりではつづけられず、周りのひとたちや地域に支えられてこそ成り立つのだそう。

高校時代からネット書店を始め、リアル店舗での書店経営も10年近くつづけてきた竹田さんに対し、10年間勤めた教師の職を辞して「お金の儲からない」書店経営を始めたパクさん。その経緯について竹田さんがパクさんに尋ねると、大好きだった書店が閉店してしまい、「この想いを引き継がなくちゃと思った」とのこと。

書店経営を考え始めた頃、パクさんは日本旅行で神保町のチェッコリを訪ねた。店主の金承福(キム・スンボク)さんに神保町の書店を案内され、父親から息子へとお店が引き継がれつづいている様子に感銘を受けたという。「長くお店をつづけていくには自社ビルが必要だ」と学んだ。

このお話を聞くなり、「書店経営の敵は家賃」「100年つづけていくために自分も物件購入を決めた」とすかさず同意する竹田さん。

イベントの終盤では「書店経営で不安なことは?」と質問する竹田さんに、「書店を始めてから1日も休んでないので、休みどきがわかりません」と答えるパクさん。「コロナが終わったら韓国に遊びに行くので、そのときに休んでください」と竹田さんが応じ、「お待ちしています」と微笑むパクさん。

イベントを通して感じたのは、本と書店経営に愛と情熱をもつ日韓書店店主同士の、お互いへの敬意。本を愛するひとりの読者として胸が熱くなった。いつの日か両書店を訪ねて、おふたりが選んだ本を手にとってみたい。

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(レポート:森川裕美)

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韓国文学翻訳院、株式会社クオン