人間なんて虚しくて、取るに足らない。でも、だからこそ愛おしい。その取るに足らなさでもって、どうにかこうにか生きているのだから。楽しんだり、悲しんだりしながら、頑張っているのだから。
誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、信頼、不信、やすらぎ、恐れ…、家族や人と人の関係の苦しさと救いを、濃密な文体で描く。注目の作家の傑作長編、待望の翻訳。
2015年大山文学賞受賞作。
もっとも尖端的で、同時にもっとも伝統的なもの、要するに語の根源的な意味でのラジカルな出版物を出したいというのが私どもの願いです。
(昭和36年4月、当時の代表取締役 中村勝哉による創業の挨拶より抜粋)
人間なんて虚しくて、取るに足らない。でも、だからこそ愛おしい。その取るに足らなさでもって、どうにかこうにか生きているのだから。楽しんだり、悲しんだりしながら、頑張っているのだから。
誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、信頼、不信、やすらぎ、恐れ…、家族や人と人の関係の苦しさと救いを、濃密な文体で描く。注目の作家の傑作長編、待望の翻訳。
2015年大山文学賞受賞作。
アジア人初の英国ブッカー国際賞受賞作家、
ハン・ガンによる心ふるわす長編小説
ある日突然言葉を話せなくなった女は、失われた言葉を取り戻すために古典ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。ふたりの出会いと対話を通じて、人間が失った本質とは何かを問いかけていく。
80年生まれの著者が若くして文壇を席巻し、
同世代から圧倒的な共感を得たデビュー短編集
臨月の母を捨て出奔した父は、私の想像の中でひた走る。今まさに福岡を過ぎ、ボルネオ島を経て、スフィンクスの左足の甲を回り、エンパイア・ステート・ビルに立ち寄り、グアダラマ山脈を越えて、父は走る。蛍光ピンクのハーフパンツをはいて、やせ細った毛深い脚で――。
若くして国内の名だたる文学賞を軒並み受賞しているキム・エラン。韓国日報文学賞を歴代最年少で受賞した表題作や、第1回大山大学文学賞を受賞した「ノックしない家」など9編を収載したデビュー作。
「この本は、こわばった表情で私があなたに送る、最初の微笑みです」
誰が知るだろう、この物語のすべてが
一編の復讐劇でもあるということを――
一代にして財を成し、あまたの男の運命をくるわせた母クムボク。並外れた怪力の持ち主にして、煉瓦づくりに命を賭した娘チュニ。巨大な鯨と煉瓦工場、華やかな劇場をめぐる壮絶な人生ドラマが幕を開ける――。ストーリーテラーとして名高い著者が、破壊的なまでに激しく生々しい人間の欲望を壮大なスケールで描き出した一大叙事詩。第10回文学トンネ小説賞を受賞し、韓国で累計15万部を記録したロングセラー。