「ある人は、それをイデオロギーだといい、ある人は祖国だといった。鳳児にはどちらも、それは夢と同じ意味だった。」(本書より)
大国の都合で国が南北に二分された朝鮮戦争下のソウル。南へ北へと戦線が動くたびに支配者が入れ替わり、人々は厳しい選択を迫られる。やがて空爆も激しさを増し…。植民地時代に親日派だった判事の息子や転向した革命家の娘など、背景の様々な子どもたちもまた、家族や友だちを失いながら、それぞれに「生きるため」の決断を迫られる。主人公たちはどんな選択をしたのか。本当はどんな夢をもち、どんなふうに生きたかったのか――。平和への切なる願いをこめた韓国YA文学の傑作。『1945,鉄原』の続編。