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2021.12.03
イベントレポ:小泉今日子、K-BOOKを読む、語る

歌手や女優として有名な小泉今日子さん。大の読書好きとしても知られており、2004年から10年あまり「読売新聞」読書欄の書評委員を務められ、書評家としての一面も。
マルチに活動されている小泉さんが韓国文学の魅力や本に対する想いを詩の朗読とともに1時間たっぷりと語ってくださいました。

序盤では小泉さんと韓国エンタメとの出会いについて語られました。
約20年前のドラマ『天国の階段』では主人公に恋をし、映画『シークレットサンシャイン』や『オアシス』では “絶望を絶望のまま描く”ことに衝撃を受けたそうです。

ステイホーム期間に、ARMYとしての一面も加わりました。イ・ジヘン著『BTSとARMY』(イースト・プレス刊)を読まれ、ファンが消費するだけでなくBTSと共に発信していく連帯的な形に元アイドルとして、現プロデューサーとして興味を抱いたとのことです。

一方で、書評の活動を通して「“書く”ことを意識することで“読む”ことが上手くなり、この本の言いたいこと、真髄を読み取れるようになりました」という小泉さんと韓国文学との出会いは、友人から勧められたチョン・セラン著『フィフティ・ピープル』(亜紀書房刊)でした。「50人ものキャラクターを描ききるエネルギーがとてもすごい」。

さらにソン・ウォンピョン著『アーモンド』(祥伝社刊)の、付箋まで貼るほど気に入った部分を朗読してくださいました。

「ばあちゃんの言葉を借りるなら、本屋は何千、何万という作家たちが、生きている人も死んだ人も一緒になって押し合いへし合いしている、すごく人口密度が高い所だ。でも本は静かだ。手に取って開くまでは、まるで死んでいるみたいに黙りこくっている。そして、開いた瞬間から話し始めるのだ。ゆっくりと、ちょうど僕が望む分だけ。」(第二部P131)

――「これ本好きには、まさにそうって思うんですよね。本を読んでいる時間って人から見たら、客観的に見たら、ものすごく静かな時間なんですよね。ただ座って本を見て何もしゃべらない、何も発しない。だけれども自分の頭の中はものすごくエキサイティングで、どこにでも行ける、宇宙にでも行ける、過去の歴史の中にも入れるし、ものすごく深い恋愛をすることもできるし、だからその主観と客観の落差というか、それが本の読む楽しみだなっていうのをすごくいい言葉でまとめていると思いました。」

他にも、パク・ミンギュ著『カステラ』(クレイン刊)、パク・ソンウォン著『都市は何によってできているのか』(クオン刊)、キム・へジン著『娘について』(亜紀書房刊) などを紹介していただきました。

 

続いて、詩の朗読。
ナ・テジュ著『愛だけが残る』 ― 電話線に乗って 他
チョン・スンファン著『自分にかけたい言葉~ありがとう~』 ― 小さな存在の偉大さ 他
ファ・テハン著『すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間』 ― 生きる理由 他

視聴者からは、小泉さんの優しく柔らかい声の朗読にオーディオブックや朗読会のリクエストも届きました。

「なんか、いいですね。本を作るのって、もちろん文章をいただいて編んでいくのだけど、どういう表紙にして、カバーにするのか、その中を何色にするのか、こういう挿絵を入れようとか、とっても繊細なみんなの気持ちがつまっているっていうのを、今日こういう本を読んでいてより感じました。」と本を慈しむように話す小泉さん。

最後に小泉さんから「さまざまな書店が集まって大きなブックフェスができたらいいですね」とご提案もいただきました。

来年40周年を迎えられる小泉さん。31年ぶりの全国ホールツアー『小泉今日子 TOUR 2022 KKPP(Kyoko Koizumi Pop Party)』を開催予定。
また、来年1月7日からは舞台『ミネオラ・ツインズ~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~』の出演も控えてらっしゃいます。
ポッドキャスト『ホントのコイズミさん』では本を愛する方々に小泉さんがインタビューされています。

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(レポート:石川由香子)

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